浦和地方裁判所 昭和54年(わ)197号 判決 1979年6月07日
被告人
本籍
埼玉県北葛飾郡栗橋町大字小右衛門一、三四九番地
住居
右同
職業
管工事業
中村襄
昭和七年五月一九日生
罪名
所得税法違反被告事件
出席した検察官
峯益雄
主文
被告人を懲役一年及び罰金五〇〇万円に処する。
この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
被告人が右罰金を完納することができないときは金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
(罪となるべき事実)
被告人は、埼玉県北葛飾郡栗橋町大字小右衛門一、三四九番地に居住し、同所において、「中村工業所」の名称で水道工事を主体とする管工事業を営むものであるが、所得税を免れようと企て、収入金額の一部を除外するとともに架空の経費を計上するなどの不正の手段により、その所得の一部を秘匿したうえ、
第一 昭和五〇年一月一日から同年一二月三一日までの間、総所得金額が一、八九三万六六三円で、これに対する所得税額が六〇八万七〇〇円であるのに、昭和五一年二月二四日、同県春日部市大字粕壁字浜川戸五、四三五番地の一春日部税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が七八一万二、九九〇円で、これに対する所得税額が一三〇万四、四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により昭和五〇年分の正規の所得税額との差額四七七万六、三〇〇円の所得税を免れ、
第二 昭和五一年一月一日から同年一二月三一日までの間、総所得金額が二、三一五万六、〇六四円で、これに対する所得税額が七九七万三、二〇〇円であるのに、昭和五二年二月一八日、前記春日部税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が四一四万一、〇六六円で、これに対する所得税額が三九万六、四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により昭和五一年分の正規の所得税額との差額七五七万六、八〇〇円の所得税を免れ、
第三 昭和五二年一月一月から同年一二月三一日までの間、総所得金額が三、一六九万八一五円で、これに対する所得税額が一、一〇九万七、一〇〇円であるのに、昭和五三年二月一六日、前記春日部税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が六一七万三、九一三円で、これに対する所得税額が七八万二、一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により昭和五二年分の正規の所得税額との差額一、〇三一万五、〇〇〇円の所得税を免れ
たものである。
(適用した罰条)
所得税法第二三八条第一項、第一二〇条第一項第三号、刑法第二五条第一項第一号、第一八条
(裁判官 高澤廣茂)